少年、アシルの住む村には言い伝えがあった。
南の森には魔女が住むと。
その森の魔女は、昔々この国が災厄に見舞われたとき村に現れ、村を守る代わりに南の森を要求した。
それ以来村は災厄から守られ、南の森に人が立ち入るを禁じられた。また、立ち入ったとしても森を進むことはできなかった。
アシルはある初夏の日に、森へと向かう。
何故少年は、禁じられた森を目指し、何故誰も進む事のできなかった森を進み、最奥の魔女の住処に辿り着く事が出来たのか。
森に住む者の運命さえ変えた、一人の少年の小さな冒険の物語。